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税理士からのアドバイス

第31回 免税店のしくみ

Q.今年度の税制改正で創設された「雇用促進税制」について教えてください。

A.海外旅行をすると空港に免税店があります。免税店というのは、どういう理由で何の税金が免除されているのでしょうか?

 1. 出国するとき

*1 たばこにかかる税金(1箱)

たばこ税 106.04円
たばこ特別税16.40円
都道府県たばこ税30.08円
市区町村たばこ税92.36円
消費税・地方消費税19.52円
合計 264.40円

多くの税金がかかる物の代表格である"たばこ"を例に解説します。

日本国内で購入するたばこには様々な税金がかかっています。最も一般的なたばこは1箱410円ですが、この価格には264円もの税金が含まれており *1、免税店ではこれらの税金がすべて免税になります。消費税、酒税、たばこ税など消費に関する税は、日本国内で消費することを前提とした税金です。出国の際に空港の免税店で購入するたばこは日本では消費しないので、日本では課税できないと考えればよいでしょう。

たばこを消費するのは旅行先の外国ですから、その国に入国する際に、関税とあわせてその国のたばこに係る税金を払うことになります。ただし、一定の範囲内であればこれらの税金は免除されます。たばこの場合、多くの国では10箱までが免除の範囲となっています。

2. 入国するとき

*2 旅行者が入国の際に払う税金(1箱)

たばこ税 210円
たばこ特別税 10円
都道府県たばこ税 なし
市区町村たばこ税 なし
消費税・地方消費税 たばこ税に含む
関税 たばこ税に含む
合計 220円

同様に、海外の免税店で購入したたばこにも税金はかかっていません。日本に持ち込む場合には日本製、外国製それぞれ10箱までであれば日本の税金もかかりませんが、これを超えるときは1箱220円の税金を税関で払うことになります *2。

3. 街中の免税店で買うものは?

空港だけでなく街中にも免税店がありブランド品などが売られています。ここで購入した物は、空港で出国手続き後に受取る、購入記録票と購入物のチェックを税関で受けるなどの方法で、購入した国で消費しないことを前提に現地の税金が免税となります。日本に持ち込む場合、購入合計20万円までであれば日本の関税等も免除されます。

4. 免税店のたばこの値段

ところで、日本の空港にある免税店でたばこはいくらで購入できると思いますか? 前述のとおり1箱410円のたばこには264円の税金がかかっています。これが全部免除されているのですから、410円-264円=146円で売っていないとおかしいと思うのですが、実際には日本中どこの空港でもなぜか250円で販売されています。

法人なかま 2011年10月号掲載