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税理士からのアドバイス

第30回 雇用促進税制

Q.今年度の税制改正で創設された「雇用促進税制」について教えてください。

A.雇用者の増加1人あたり20万円の法人税が減税になる制度です。あらかじめハローワークに雇用促進計画を提出する必要がありますのでご注意ください。

 1.雇用促進税制の概要

雇用促進税制は、1.から5.の要件を満たす場合に、雇用者*1の増加1人あたり20万円の法人税が減税になる*2というもので、平成23年4月1日以降に開始する事業年度から適用になります。なお、資本金1億円以下の法人(中小企業)とそれ以外の法人とで適用要件が異なりますが、ここでは中小企業を前提に解説します。

  1. 青色申告を選択していること
  2. 風俗営業を営む法人でないこと
  3. 当期および前期において会社都合による離職者がいないこと
  4. 前期末と当期末を比較して雇用者数が2人以上、かつ、10%以上増加していること
  5. 当期の雇用者に対する給与総額が前期に比べ次の金額以上増加していること*3
  6.   [前期の雇用者に対する給与総額×雇用者増加割合×30%]

*1雇用者とは雇用保険の一般被保険者をいい、役員および役員の親族等は含まれません。

*2減税額は当期の法人税額の20%が限度です。

*3例えば前期末雇用者10人給与総額4,000万円で2人増加した場合には、4,000万円×20%×30%=240万円の給与総額の増加が必要になります。

2.ハローワークへの計画書提出

この制度の特徴はハローワークへの計画書の提出が前提になっていることです。まず、事業年度開始から2カ月以内に雇用促進計画*4を提出し、その事業年度が終了したら2カ月以内にその計画書の確認を受けます。そして、確認後にハローワークから交付される書類を法人税の申告書に添付する必要があります。

事業年度 計画書の提出期限
H23.4.1-H24.3.31 H23.10.31
H23.5.1-H24.4.30 H23.10.31
H23.6.1-H24.5.31 H23.10.31
H23.7.1-H24.6.30 H23.10.31
H23.8.1-H24.7.31 H23.10.31
H23.9.1-H24.8.31 H23.11.30

計画書の記載内容は難しいものではありませんが、事業年度開始から2カ月以内に事前に計画をハローワークに提出しなければ、雇用促進税制の土俵に上がることすらできないので注意しなければいけません。

ところで、前述のとおり、この制度は平成23年4月1日以降に開始する事業年度から適用されるのですが、改正法が成立したのは6月22日であり、この時点ですでに2カ月以上が経過してしまっています。そこで、平成23年8月31日までに開始する事業年度については、10月31日までに計画書を提出すればよいことになっています。

*4様式は厚生労働省のホームページに掲載されています。
http://www.mhlw.go.jp/bunya/roudouseisaku/koyousokushinzei.html

法人なかま 2011年9月号掲載