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税理士からのアドバイス

第28回 義援金とふるさと納税

Q.東日本大震災の義援金を寄付すると、ふるさと納税の対象になると聞きました。どういう関係があるのでしょうか?

A.義援金は被災地の地方公共団体等で組織する分配委員会を通して、被災者に届けられますので、被災地の地方公共団体へ直接寄附するのと同様に「ふるさと納税」の対象になります。

1. ふるさと納税とは

ふるさと納税は、出身地など居住地以外の地方公共団体を応援する制度です。一般にふるさと納税と呼ばれていますが、直接ふるさとなどに納税するわけではありあません。居住地以外の地方公共団体に寄附をした場合に、その寄附によって所得税と居住地の住民税が減税になり、結果として減税になった部分をふるさとに納税したのと同じ効果が生じるというものです。日本赤十字社などへの義援金は被災地方公共団体へ寄附したのと同じ効果がありますのでふるさと納税の対象になることとされました。
 減税額の計算は省略しますが、たとえば所得税率10%の人が4万円を義援金として寄附したとすれば、所得税3,800円、居住地の住民税31,500円の合計35,300円が減税となり実質的な個人負担は4,700円です。被災地に35,300円の納税と4,700円の寄附をしたと考えることもできるわけです。ただし、ふるさと納税には収入によって限度があります。限度額は http://www.furusatotax.com/about/simulator.php で試算ができます。

2. 東日本大震災に関連する寄附金の特典

(表1)
所得税 ①所得控除 寄附金の額について税率をかける前の所得からマイナス★1
②税額控除 寄附金の額の40%を所得税からマイナス★2、①との選択
住民税 ③税額控除 寄附金の額★3の10%を住民税からマイナス
④ふるさと納税 ①、③で減税されない部分を住民税からマイナス★4、②との併用はない

東日本大震災に関連する寄附をした場合の税の特典には表1の種類があり、寄附先により利用できる特典が異なります。寄附先と特典との関係は表2をご参照ください。

(表2)
寄 附 先 所得税成立 住民税
①所得控除 ②税額控除 ③所得控除 ④ふるさと
政府が受付ける義援金への寄附 ×
被災地の地方公共団体へ直接寄附 ×
日本赤十字社の「東日本大震災義援金口座」への寄附 ×
中央共同募金会の「東日本大震災義援金」への寄附 ×
中央共同募金会の「災害ボランティア・NPO活動サポート募金」への寄附 ○*4 ×
認定NPO法人の被災者支援活動として国税局長の確認を受けたものへの寄附*2 ○*4 ×
認定NPO法人の被災者支援活動への寄附(上記以外)*3 × ○*4 ×
認定でないNPO法人の被災者支援活動への寄附 × × × ×
募金団体を通じて最終的に国や被災地の地方公共団体に拠出されるもの ×  
法人なかま 2011年7月号掲載