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税理士からのアドバイス

第26回 東日本大震災の義援金

Q.今回の大震災の義援金を日本赤十字社に寄附しようと思います。日本赤十字社のホームページをみると、受領書が必要な場合には事前登録が必要で、受領書の発行には数カ月かかるそうです。義援金について税制の恩典を受けるためには、この受領書がなければいけないのでしょうか?

A.義援金の受付専用口座に振り込む場合には受領書の交付を受ける必要はありません。

1. 手続きの緩和

日本赤十字社や中央共同募金会をはじめテレビ局・新聞社等、多くの団体で東日本大震災の義援金を募っています。
 個人で義援金を寄附した場合には、「寄付金控除」という制度の対象となり、確定申告で所得税の還付を受けることができます。医療費控除によって所得税の還付を受けるのと同じような仕組みとお考えください。
 確定申告をするにあたっては、「寄附したことを証する書類」を申告書とともに提出する必要があります。通常は寄附先の発行する受領書を添付することになりますが、今回の大震災の義援金を「義援金の受付専用口座」に振り込んだ場合には、次の書類を添付すれば足りる旨が国税庁より公表されました。

1.日本赤十字社の「東日本大震災義援金口座」、中央共同募金会の「各県の被災者のための生活再建のための義援金口座」への寄附

・・・郵便振替の半券、銀行振込の振込票の控え

2.マスコミや募金団体等を通じて義援金を寄附した場合

・・・郵便振替の半券、銀行振込の振込票の控えにプラスして、新聞報道や募金団体のホームページの写しなど、義援金を振り込んだ口座が義援金の受付専用口座であることが分かる資料
 なお、法人が義援金を寄附したときには法人税の損金として処理できます。法人の場合には「寄附したことを証する書類」を提出する必要はなく保存しておけばよいことになっています。その保存しておくべき書類についても、個人の提出書類と同様の緩和措置がとられています。

2. 義援金と支援金

義援金は、全額が被災者の方へ交付される性格の寄附金です。地方公共団体を中心として構成される義援金分配委員会で分配基準を作成して被災された方々へ分配されます。そのため、被災者の手元に届くまでにはそれなりの時間がかかるのが実情のようです。
 ボランティアやNPOの現地での活動を支援する目的であれば、義援金ではなく各種団体等へ支援金として寄附する必要があります。この場合の税制特典の有無や手続きに必要な書類は寄附の相手先によって異なりますので、事前に寄附先のホームページ等で確認することをお勧めします。なお、中央共同募金会では「地震災害におけるボランティア・NPO活動支援のための募金口座」への寄附も募っていますが、この口座への寄附は上記1.①と同様に手続きが緩和されます。

法人なかま 2011年5月号掲載