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税理士からのアドバイス

第24回 医療費控除の還付申告

Q.私たち夫婦は共働きをしています。昨年は、ともに通院する機会が多く医療費がかさみましたので、所得税の還付申告をしようと思っています。妻の医療費は自分で確定申告をすると言っていますが、別々に医療費控除の申告をするのは得策でないと聞きました。いかがでしょうか。

A.別々の申告は得策ではありません。一般には、ご夫婦の医療費をまとめて収入の高い方で申告をすれば還付額が大きくなります。ただし、医療費控除を受けられるのは実際に医療費を負担した人ですのでご注意ください。

1. 10万円の足切り

 医療費控除をできるのは10万円*を超える部分だけです。2人で別々に申告をすると、この足切り額が2人分の20万円になってしまいますので、1人にまとめて申告をした方が控除額は大きくなります。仮に、医療費が2人とも25万円だった場合の控除額はそれぞれ次のとおりです。
①別々に申告した場合
 夫(25万円-10万円)+妻(25万円-10万円)=30万円
②まとめて1人で申告した場合
 (25万円+25万円)-10万円=40万円
 また、医療費控除は、税率をかける前の所得からマイナスする仕組みですから、税率の高い人=収入の高い人から控除すれば、より還付額が大きくなります。

2. まとめられる範囲は

 医療費をまとめられるのは、「生計を一にする親族のための医療費」です。生計一とは、突き詰めるとなかなか難しい概念ですが、基本的には同居している人と考えればよいでしょう。また、収入のない扶養親族の医療費でなければいけないと思っている方も多いようですが、生計を一にしている親族であればよいのです。ご質問のケースのように、収入ある妻(夫)の医療費であっても夫(妻)から控除することができます。
 ただし、医療費控除を受けられるのは、あくまでも実際に医療費を負担した人です。

3.過去の医療費

 3月15日を過ぎても医療費控除の申告をできるのかという質問をいただくことがあります。所得税確定申告の提出期間は2月16日から3月15日までということはよく知られているのですが、これは確定申告をしなければいけない人の提出期間だとお考えください。
 通常は年末調整のみで、確定申告を必要としないサラリ-マンが還付申告をする場合には、この期間に拘る必要はありません。翌年1月1日から5年間が還付申告を提出できる期間となります。平成23年中であれば、平成18年分の医療費控除の還付申告もまだ間に合うということになります。
*所得が200万円未満のときは所得×5%

法人なかま 2011年4月号掲載