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税理士からのアドバイス

第23回 給料が減った

Q.給料の額面に変わりはないのに今月(1月)は手取りが少なくなってしまいました。給与明細をみると「所得税」が先月よりも増えています。どういうことでしょうか?

A.子ども手当が支給される年齢(15歳まで)の扶養親族のある方だと思います。子ども手当の創設に伴い、15歳までの子どもについて所得税の扶養控除が廃止されました。その影響で所得税が増えてしまったのです。

1.扶養控除の廃止

昨年4月より、15歳までの子どもの保護者に対して月13,000円の子ども手当の支給が始まりましたが、子ども手当支給の見合いとして、平成23年分の所得税から15歳までの子どもの扶養控除が廃止になりました。これは昨年の平成22年度税制改正によるものであり、適用開始が今年の1月からということになっています。

毎月の給与から天引きする所得税の額は、扶養控除の対象となる親族の数によって変わるのですが、今年から15歳までの子どもは扶養控除の対象としてカウントしないことになったため、給与の額面は変わらないのに所得税が増えてしまったのです

2.来年6月からは住民税も増えます

15歳までの扶養控除の廃止によって住民税も増税になります。住民税は1年遅れで課税され、納税のサイクルは毎年6月からの1年間になりますので、平成23年の収入に対する住民税の給与天引きは、平成24年6月から始まることになります。来年6月以降は住民税の増税によって更に手取りが減ることになります。

3.手取りはいくら減るのか

(表1)

月の給料
(社会保険料控除後)

所得税の増額
(H23.1~)
住民税の増額
(H24.6~)
合計
20万円 1,590円 2,750円 4,340円
40万円 3,170円 2,750円 5,920円
60万円 6,330円 2,750円 9,080円
100万円 12,650円 2,750円 9,900円
150万円 10,450円 2,750円 13,200円

では、実際にどれくらい手取りが減ってしまうのかを試算してみます。扶養控除の廃止による増税は、給料の高い人=税率の高い人ほど大きな影響を受けることになります。毎月の給与収入別にみた手取り金額への影響は、おおむね表1のようになります。100万円を超えるような給料の方は、子ども手当の額と増税額がほぼイコールになってしまうことが分かります。

収入の高い人に子ども手当は不要だという議論を耳にしますが、子ども手当は扶養控除の廃止とセットで導入されたということを忘れてはいけません。子ども手当に所得制限を設けるようなことがあれば高収入の人にとっては単なる"子ども増税"になってしまうのではないでしょうか。

*扶養控除の廃止によって扶養親族が1人から0人になった場合の増加額合計住民税の増額

法人なかま 2011年2月号掲載