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税理士からのアドバイス

第16回 生命保険金と税金

Q.Aさんは父親の死亡により、生命保険金を受け取りました。Aさんにはどのような税金がかかるのでしょうか?

A.受け取った死亡保険金は、相続税の課税対象になるケースが一般的ですが、契約形態によっては、所得税や贈与税がかかる場合もあります。

1. 契約形態でかかる税金が違う

生命保険契約には、必ず1.契約者(保険料の負担者)、2.被保険者=保険の対象になる人、3.保険金受取人=保険金を受け取る人、の3者が存在します。

Qのケースは、2.の被保険者は父親、3.の保険金受取人はAさんですから、残るは1.の契約者です。契約者が誰であるかによって、Aさんの受け取る生命保険金にかかる税金が違ってきます。

  1. 父親が契約者のとき

    父親が契約者であれば、被保険者=契約者となります。この場合には、生命保険金は相続税の対象になります。自分の死後における遺族の生活のために、父親自らが生命保険に加入するケースで、最も一般的なパターンといえるでしょう。

  2. Aさん自身が契約者のとき

    契約者がAさんの場合には、保険金受取人=契約者となり、Aさんには一時所得という種類の所得税がかかります。次の算式で求めた金額が課税の対象となり、給与など他の所得と合算して所得税が算出されます。したがって、給与収入等が多い人ほど税負担が大きくなります。

    (受け取った保険金-支払った保険料-50万円)×1/2

    この契約形態は、父親に多額の相続税が想定される場合の納税資金対策として利用されるケースが多いようです。

  3. 契約者が父親でもAさんでもないとき

    たとえば母親が契約者のケースがこれにあたります。そうすると、契約者、被保険者、保険金受取人それぞれが違う人になります。この場合には、母親からAさんへの贈与ということで、生命保険金は贈与税の対象になります。贈与税は通常最も税率の高い税ですから、この契約形態は避けた方が賢明でしょう。

2. 生命保険には非課税枠がある

 契約者が父親という最も一般的なケースの生命保険金は、上記のとおり相続税の対象になりますが、「500万円×法定相続人の数」までは非課税になるという特典があり、相続税対策としてひろく活用されています。

たとえば、相続人がAさんと母親の2人だったとすれば、500万円×2人=1,000万円が非課税枠となります。Aさんの受け取る生命保険金のうち1,000万円は相続税がかからないのです。もし、母親にも生命保険金の受け取りがあるならば、1,000万円の非課税枠を、母親とAさんの受取保険金額で按分してそれぞれの非課税金額を求めることになります。

法人なかま 2010年6月号掲載