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税理士からのアドバイス

第13回 贈与税と相続税の関係は深い

Q.与税は財産をもらった人が払うのが当然だと思っていましたが、財産をあげた人が贈与税を払う国もあると聞きました。本当にそんな国があるのでしょうか ?

A.例えばアメリカでは贈与をした人に贈与税が課税されます。贈与税をだれが負担するかは相続税のしくみと深いかかわりがあります。

1. だれが負担するべきか

贈与をした人と受けた人、どちらが贈与税を負担するのが合理的でしょうか。贈与によって利益を受けた人(贈与を受けた人)が当然税金を負担すべきだと考えるのが一般的だろうと思います。しかし、現実に、贈与をした人に贈与税を課税している国もあります。実は、これはその国の相続税のしくみと密接な関係があるのです。

2. 贈与税は相続税を補完するためにある

贈与税は相続税を補完するために存在する税です。もし贈与税がなかったら、相続税はほとんど無意味なものになってしまいます。生前にすべての財産を子供たちに贈与してしまえば、いざ相続というときに相続税が課税される財産はなくなってしまいます。このような不都合がおこらないように設けられているのが贈与税です。相続税のないところに贈与税は存在しないといっても過言ではありません。

3. 相続税には2種類のしくみがある

相続税の課税のしくみには大きく次の2種類の方式があります

  1. 遺産課税……被相続人(死亡した人)の遺産総額に対して課税する方式です。遺産からまず相続税を差し引いて残りの遺産を相続人が相続します。 財産を残した被相続人に対して課税するイメージです。
  2. 遺産取得課税……個々の相続人が相続した遺産の額に対して課税する方式です。相続税は財産を取得した相続人が負担します。

4. 相続税のしくみで贈与税の負担者がきまる

贈与税をだれが負担するかは、相続税についてどちらのしくみを採用しているかによって分かれます。?遺産課税の場合には贈与をした人が、?遺産取得課税の場合には贈与を受けた人が贈与税を負担することになります。わが国は相続税について遺産取得課税を採用しているので、贈与税は贈与を受けた人が負担するのに対し、アメリカは遺産課税を採用しているので贈与をした人が負担しているということなのです。

ところで、民主党政策集Index2009には、相続税のしくみについて「遺産課税方式への転換を検討します。」との記載があります。ということは、近い将来、わが国でも贈与税は贈与した人が払うということになるのかもしれません。

法人なかま 2010年3月号掲載