本文へジャンプ

税理士からのアドバイス

第9回 副収入と税金

Q.サラリーマンのAさんは、X不動産社に友人を紹介し、10万円の紹介料をもらいました。確定申告をする必要はあるのでしょうか?

A.確定申告の必要はありません。

1. 副収入の所得が20万円以下であれば確定申告は不要

サラリーマンの場合には、給与収入が2,000万円を超える人や、給与を2か所以上からもらっている人などの例外を除けば、年末調整によって所得税の精算がおこなわれます。サラリーマンの年末調整は確定申告の代わりなのです。

もっとも、年末調整で精算できるのは、給与の収入だけですから、給与以外の収入がある場合には確定申告をしなければいけません。

しかし、少額の所得にまで確定申告を義務付けてしまえば、事務手続きがいたずらに煩雑になってしまいますので、給与以外の所得が20万円以下の場合には確定申告を省略できることになっています。判断基準の20万円は"所得"です。収入から必要経費を引いた金額が20万円以下であれば申告は不要となります(収入と所得の違いは6月号参照)。Aさんは収入が10万円ですから、必要経費がゼロだったとしても確定申告をする必要はありません。

2. 医療費控除を受ける場合

注意したいのは、医療費控除等により所得税の還付を受けるために確定申告をしようとするときです。20万円以下の申告不要制度は、事務手続き簡略化のために確定申告書提出の省略を認めるもので、20万円以下の所得には課税をしないという制度ではありあません。

したがって、確定申告をする場合には20万円以下の所得も含めることになります。医療費控除を受けようとして確定申告をすると、逆に所得税を払わなければいけないということにもなりかねません。この場合には、医療費控除はあきらめて確定申告をしないという選択になるでしょう。

3. 確定申告をしたほうが得になる場合

副収入の種類によっては、20万円以下でも確定申告をした方が得になることもあります。例えば、原稿料や講演料収入の場合には10%の所得税が源泉徴収されていますので、確定申告をすれば、源泉徴収分が還付されるケースもあります。

4. 住民税には申告不要制度がない

これまで、所得税だけを念頭に話を進めてきましたが、実際には住民税の負担も考慮しなければいけません。実は住民税には20万円以下の申告不要制度がありません。所得税の申告は不要でも、住民税の申告は必要というのが建前なのです。実務上の混乱を避けるためにも、ぜひ住民税にも申告不要制度を取り入れてほしいものです。

法人なかま 2009年10月号掲載