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税理士からのアドバイス

第2回 超過累進税率

前回、担税力(=税金を負担する能力)に応じた税金を計算するため、所得税では「累進税率」という方法が用いられているという話をしました。「累進税率」は、所得の多い人ほど税率が高く設定され、現在の所得税の税率は次のとおりです。

所得税率~平成21年3月現在~
所得195万円以下 5%
195万円超330万円以下
10%
330万円超695万円以下
20%
695万円超900万円以下 23%
900万円超1,800万円以下 33%
1,800万円超 40%

Q.さて、所得700万円の人の所得税はいくらになるでしょうか。

多くの人は700万円×23%=161万円と答えるかもしれません。

税引き後は700万円ー161万円=539万円です。しかし、この考え方では不都合なことが起こってしまいます。

同じように所得690万円の人の税金を計算すると690万円×20%=138万円、税引き後690万円ー138万円=552万円となります。そうすると、所得690万円の人の方が、700万円の人よりも手取りが多くなってしまいます。これはどう考えても不合理です。

所得税速算表~平成21年3月現在~
所得195万円以下 5%   
195万円超330万円以下
10%- 97,500円
330万円超695万円以下
20%- 427,500円
695万円超900万円以下 23%- 636,000円
900万円超1,800万円以下 33%- 1,536,000円
1,800万円超 40%- 2,796,000円

そこで、こうした不合理がないように、単純な累進税率ではなく「超過累進税率」という方法が採用されています。これは、一定の所得を超える場合に、その超える部分の金額にだけ高い税率を適用するという方法です。

700万円の所得の場合には、195万円までの所得については5%の9.75万円、次の330万円までの135万円は10%で13.5万円、同じように695万円までの365万円は20%で73万円、695万円を超える5万円に23%で1.15万円。これらを合計した97.4万円が700万円に対する所得税となるのです。同様に690万円の所得について所得税を計算すれば95.25万円になります。

ところで、年末調整等で実際に所得税を計算する場合には、次のような「所得税の速算表」を利用しているかと思います。この表は、上のような複雑な計算をしなくても税額が求められるように工夫されています。

法人なかま 2009年3月号掲載