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税理士からのアドバイス

第1回 公平って何?

税は公平でなければならない。」この原則に異論を唱える人はいないと思いますが、「公平」という概念はなかなか難しいものです。

Q.所得(儲け)が500万円のAさんと1,500万円のBさんがいたとしましょう。この2人に合計400万円の税金を負担してもらう場合、次のうちどれが最も公平だと考えますか?

  1. Aさん、Bさんともに200万円ずつの税金を負担する。
  2. Aさん、Bさんの所得合計2,000万円。税金400万円の割合は400万円÷2,000万円=20%なので、Aさん、Bさんとも20%の割合で税金を負担する。
    • Aさんの税金500万円×20%=100万円
    • Bさんの税金1,500万円×20%=300万円
  3. 所得の高いBさんの方が高い税率で税金を負担する。例えば、次のような負担とする。
    • Aさんの税金500万円×5%=25万円
    • Bさんの税金1,500万円×25%=375万円
 

税の考える公平は3.です。税における公平には、水平的公平と垂直的公平という2つの概念があります。水平的公平とは、同じ所得の人(=同じ担税力の人)は同じ税金でなければいけないというものです。一方、垂直的公平は、水平的公平の裏返しの考え方で、所得の高い人(=担税力の高い人)にはより多くの税金を負担してもらうということです。2.のように税率が同じであっても所得の多い人の方が大きな税額となるのですが、これではまだ不十分です。仮に、AさんとBさんに、さらに10万円の臨時収入があったとします。その10万円から税金をとるとした場合、どちらの方が担税力(=税金を負担する能力)が高いかといえば、当然Bさんの10万円でしょう。一定額以上の所得に対しては、高い税率で税金を負担してもらっても痛みは少ない。決まった額の税金を確保しなければならないのならば、所得の高い人に高い税率で税金を負担してもらった方が、より効率的であり、また、それが公平だというのが税の考え方なのです。この考え方が顕著に現れるのは、所得(=儲け)に対する税金である所得税です。所得税では、担税力に応じた課税をするために、「累進税率」という方法で税額を計算します。累進税率は、わが国だけではなく世界中ほとんどの国で採用されている方式です。

次回は、「累進税率」とはどのような方式なのかをみていくことにします。

法人なかま 2009年2月号掲載