アキバの文化は重層化している
河合 洋 さん (愛三電機 株式会社 常務取締役)


秋葉原の魅力を高めてゆくため
努力する河合さん

役    職 総務委員長
会 社 名 愛三電機 株式会社
主な職種 光通信部材・ネットワーク
機器・ケーブル・配線パー
ツ等販売
住    所 千代田区外神田1-12-3
電    話 03-3253-3611(代)
URL http://www.aisan.co.jp/








店内に並ぶネットワーク機材や
自社ブランドケーブル



クロスフィールドと並び立つ愛三電機本社

「過去から現在までの秋葉原の文化は重層化しているんです」と愛三電機常務取締役の河合洋さんは言う。
秋葉原は、古くからの電気材料卸で始まった。その後、取り扱う商品は、戦前戦後のラジオパーツ、アマチュア無線、家電、音響機器、パソコンと周辺機器、ゲーム、鉄道模型、ロボット、フィギュアなど数多くに広がってきた。近頃はメイドカフェやコスプレのメッカでもある。逞しい生き様である。

秋葉原は面白い街だ。通例、既存の業種は次の業種に勢いを譲るとその地域から排除、置換される可能性が高い。
しかし秋葉原は違う。過去の店も規模を小さくしながらも存在している。現にラジオ会館内にはいまだ真空管が販売されているし、交通博物館が去った今も鉄道模型店はある。
電気マニアが集まる電気・電子部品店も健在だ。つまりかつて秋葉原で始められた商売は今もその歴史を継続している。地層のごとく積み上げられているのである。
電機部品なら秋葉原に行けば手に入る可能性が高いのである。
さらに2006年青果市場の跡地に秋葉原クロスフィールドが誕生した。物品の集積地という役割に知的財産の集積という役割が加わった。先端技術の実証実験も街を使って行われている。


光通信部材の陳列棚

 
こんな秋葉原の展開を地で行っているのが愛三電機である。店内地下1階〜3階の展示品を見ると電源ケーブルから始まって、海外規格、舞台用の配線コードやネットワーク機器、LANケーブル、光ファイバー・パーツ、配線工具やテスターなど関連機器で満ちている。一番新しいところでは日立のミューチップ(RFID)を国内で唯一店頭で在庫販売している。このようなハイテクパーツと並んで名札のようなローテクパーツも揃っている。昔からの部材でも良い物は売り場から排除することはない。

同氏の祖父は旧海軍職業軍人だったようである。戦後、職を解かれたあと、昭和22年電線の販売を開始、昭和24年に株式会社に改組、現在の中央通りと神田明神通りの交差点に移動した。「愛三」とは祖父が愛知県三河の出身に因んで付けた社名である。いずれ3代目となる河合さんにはさらに大きな仕事がある。

この地域には変わった会社がある。秋葉原タウンマネジメント株式会社(TMO)だ。河合洋さんはこの組織の取締役である。

秋葉原は様々な文化の集積地である。だから様々な人が集まる。しかしこの状況を続けていくのはとても難しい。人や金の集まる場所には必ず期待しない事態が発生する。放っておけば安全や風紀上の変化で訪れる顧客が限定されてくる。どこかの繁華街と同じ状況になりかねない。街の美化の推進、交通治安の整備、更には街のインフラ整備、観光、産業創出などを目的に千代田区と秋葉原地区の住民・企業は非営利型の法人を発足させた。これがTMOである。

誰もが真にワクワクする大好きなアキバがこれからもずっと栄えていくよう河合さんは働き続けている。 
       
              (2008年4月22日:取材)