気を使うのが神田っ子の証
小林 忠義 さん (有限会社 東園 代表)


神田祭の話しとなると相好崩れる小林さん

会 社 名 有限会社 東園
主な職種 中華料理店
URL (東園)http://www.azumaen.co.jp/
(神田東口一番街商店会) http://kanda-1ban.com/





東園店頭風景





斬新なデザインの東園ビル

昭和25年全国に先駆けて秋葉原に商業施設としての駅ビルができた。総武線高架の下に3階のビルだった。名を「秋葉原デパート」という。総武線のホームから直に入場できる改札口もあった。今のルミネ・アトレの祖形である。爾来50年2002年1月に閉店するまで52年間秋葉原のひとつの顔として存在し続けた。今はショッピングセンターとして再生するために工事が続けられている。この玄関先ではかつて実演販売がされ、多くの売り子が全国区のテレビ番組に出演するほど名を馳せた。中に入ると足の踏み場がないほどに商品が並べられ、立ち止まって品定めする余地と時間がないほどの有様だった。その混雑が楽しいといった雰囲気で誰も苦情を言う者はなかった。

小林忠義さんのそもそもの仕事は蕎麦屋であった。創業は昭和26年、その後「昭和37年2月28日に秋葉原デパートの2階の一角を借りて」商売を広げた。秋葉原開店の時期は月日までしっかり記憶している。秋葉原デパートの賃貸期間は10年だった。だからその期限が切れる前に別の場所を買った。それが今の「東園」である。東園はその当時すでに存在していた店である。それを丸ごと、つまり厨房・什器・食器・調理人・店員をまとめて引き受けた。3階には元のオーナーの子どもまでが住んでいた。元が蕎麦屋だったのに中華料理へ大転身だった。蕎麦屋の調理人は知人の店に預けた。


再生中の秋葉原デパート

「いったい誰が店のオーナーかわからない状況でしたね。私は気を使っているばかりだった」。初めは小さな店だったが、昭和61年に国鉄から払い下げの土地を手に入れ、現在の7階建ビルを建てた。今は3階までが東園、4階以上は賃貸している。神田駅のすぐ傍にある店だから学校関係者、日本橋や常盤橋あたりの企業が利用することが多い。つまり宴会場として利用されている。店の経営は跡を継ぐべくレストラン等で修行してきたご子息慎一郎氏に任せている。

ところで「東園」はくれぐれも「あずまえん」と呼ぶ。「とおえん」は「遠縁」に通じるからだそうだ。 さて、悠々自適の小林さんは旅行が最大の趣味である。「年に一度の自分へのご褒美ですよ」。夫婦で世界あちこちを出歩いている。例えば東アジア、南米、西欧、北欧、オセアニアの各国。南米に行くのはほかの地域を大体回ってしまった人とか。今年は一家揃って北京に行ってきた。

小林さんは地元の活動に熱心である。商店会のますますの興隆のため東口一番街商店会では今年初めて6月7〜8日「edoecoもったいないフリーマーケット」を開催した。来年続けるか否かは今年の様子を見て決める。小林さんは副会長だ。来年も開催したいと気を回しているに違いない。

小林さんは神田祭の話になると相好が崩れる。鍛冶町2丁目の祭りはいつも活発である。小林さんは祭の会計を引き受けている。「祭りの話なら何時間話してもかまわないよ」。いやいや夜が明けてはなりませんので。      

(2008年6月3日:取材)