薬販売には119年の裏づけがある
石津 勝男 さん (有限会社 小川町薬局 代表)


地域の調剤業務に励む石津さん

会 社 名 有限会社 小川町薬局
主な職種 調剤薬局 スポーツ医療用
具販売
URL モーツァルティアン・
フェライン
http://www.geocities.jp/
mozartian_verein/





明治時代の靖国通り。
中央に小川町薬局がある





ご子息の俊一さんと



小川町薬局店頭。創業明治22年が誇らしい

万延・慶応などの元号はかなり昔と感じる。ところが慶応の次の明治はあまり古さを感じない。まだ自分が関与している時代という意識があるからだろうか。
小川町薬局は明治22年に薬店として創業した。だが現在も薬店として営業しているからお店に古さを感じない。ではこの店の老舗度を実感できる指標を示そう。今から119年前のこの年は大日本帝国憲法が公布された年である。
この年はまた、薬品営業・薬品取扱規則が公布された年でもあるのだ。創業はこれが契機だろうか。
当時の店周辺の風景が店内に掲示の絵にある。現在地はもと交番、その西隣が小川町薬局で、その東隣2件先はお風呂屋だった。
小川町薬局は過去に一般薬や衛生用品を扱っていたが15年ほど前から調剤薬局を専らとした。患者さんのニーズと薬品安売店への対応策である。
医師が処方した処方箋を院内、あるいは病院近くの薬局で調剤するのを「マンツーマン」という。処方箋は医師の個人的薬剤処方の経験と実績がベースである。だから処方箋によって中に非常に特殊な薬がある場合がある。その薬は当該病院や病院近隣の薬局には置いてあっても、病院から遠い薬局では取り寄せになるおそれがある。マンツーマンにこうした状況はなかったが、患者が薬を得るためにひどく長い時間を要していた。現在は政策として広い地理的範囲で処方箋に対応する「面分業」が勧められている。処方箋を自宅近くの薬局で処理できるメリットがあるからだ。ただし実施するには薬剤師が積極的に治療に加わり、患者の服用履歴把握・飲みあわせチェック・きめ細やかな服薬指導をする必要がある。当薬局ではさまざまな処方箋の調剤に対応するため1200種もの調剤薬を備蓄・管理している。これは薬剤師でなくてはできない仕事である。

カンナ
           好評のスポーツ医療用具

小川町薬局は石津勝男さんと子息の俊一さんが薬剤師である。現在周辺を初めとして60〜70の病院・クリニックの処方箋を受けている。小川町薬局は薬店と差別化し薬局として堅実に展開している。
この店のもうひとつの特色は俊一さんの発案で始めたサポーター・テーピングなどスポーツ医療用具の販売である。周辺にはスポーツ用品店が多い。「そこに訪れる客の中には手足をいためている人もいます。その客を満足させる店は少ないからその店の紹介で来る人がいます」。石津さんは顧客の怪我の状況を聞き、適切な指導と商品を提供している。評判は頗るよい。

さて、石津さんは仕事を離れた時間はモーツァルトに浸っている。自宅最上階のオーディオルームには1500枚のレコードと同数のCDがあるという。モーツァルトの楽曲数はケッヘル番号では626だからモーツァルトの全楽曲をもって余りある数である。複数の演奏家もカバーしているのだろう。「昔からレコードの蒐集もしていて手回し蓄音機のレコードも持ってます」。さらに同好の士が集う「モーツァルティアン・フェライン」の副会長でもあり、事務局を担当している。仕事と趣味を全うするには1日が短そうである。        

              (2008年3月26日:取材)