神田っ子はいきでいなせで
平野 恵一 さん (株式会社 平野商会 代表取締役)


仕事、町会、地域活動に励む平野さん

会 社 名 株式会社 平野商会
主な職種 精米プラント 健康食品販売





神田祭りで配布した手拭





鍛冶町2丁目町会式典で



兜ス野商会本社ビル

平成12年モンゴルから「月曜日の幸福」という名の少年が、相撲取りになりたくて来日した。父親はモンゴル相撲の横綱だった。それを日本で知る人は少ない。おまけに身長175cm、体重68kgでは引き取り手がない。本人の意思に違えて帰国しなくてはならなくなったころ、同郷力士の紹介で宮城野部屋に身を寄せることになった。平野恵一さんがこの力士の卵と会ったのはそんな時期だった。
その力士はその後、部屋の方針で、技能修得の前に大量の食事を強いられた。その甲斐あって現在は身長192cm、体重155kg と大化けし、白鵬として横綱を貼るようになった。相撲界はなんとも不思議な世界である。
平野恵一さんは現在も後援しているが、横綱である白鵬と会うことは容易ではない。「以前はよく部屋でちゃんこをよそってもらいましたが今はとてもできなくなりました」。

白鵬のタニマチでもある

平野商会は精米機のメーカーとして大正8年創業した。当時のブランドは「三輪式」である。終戦を期にそれまで培ったノウハウを用いて精米プラントメーカーに転進した。平野さんが三代目の社長となった今は江戸川区に工場を建て、玄米と米ぬか由来の健康食品の販売まで広げている。
「鍛冶町あたりは高層ビルの秋葉原と日本橋に挟まれて沈滞している」と平野さんは言う。だから社長・町会副会長として仕事・町会・町おこし・神田祭に日ごと心を燃やしているのである。

その平野さんを悩ましていることが2件ある。ひとつは食糧問題。精米機メーカーだったから食料に関しては熱の入れ方が違う。最近日本の食糧自給率は39%まで落ち込んだ。つまり60%以上は海外に依存している。危険な状況である。一方で廃棄されている食料品は海外から輸入を含めて年間1900〜2300万トンあるのも事実。米の生産が870万トンだからその3倍もの食料が廃棄されていることになる。食料を無駄なく消費すればどうなる。輸入品が減るから消費の分母が減る。相対的に自給率を20〜30%底上げするといわれている。この問題について平野さんは何とかしろではなくてどうしたらよいかと考えている。


神田を分断する長城

もうひとつは頭上を覆うJR新幹線東側の長い壁である。いまでも鬱陶しいのに将来もっと鬱陶しくなると平野さんは言う。
JRに東北線と東海道線をつなぐ新線計画がある。さらに常磐線東京駅延伸計画がある。これらはどこに構築されるのか。コスト面から考えると新幹線の上ということになり、地上7〜8階の高さの構築物になる。これらを壁で覆うと高さ23mになる。長さ700mにわたってである。それでは視覚的に「神田の街を分断することになる。許されません。首都高日本橋地区地下化計画のように地下を通せばいいでしょう」。
JRは既定の事実として方針変更する気はないようだ。これが平野さんを刺激する。「もう工事はしないといったのは当時の国鉄、理不尽な事は絶対に認めません」。元来、大の相撲好きの平野さんはガチンコ勝負でないと納得できません。
                (2008年3月4日:取材)