人生を支える「努力は必ず達成する」
斉藤 邦之 さん (株式会社 磁気研究所 代表取締役)


斉藤 邦之氏

会 社 名 株式会社 磁気研究所
主な職種 パソコンメディア開発・販売





店舗(右)と本社ビル(左)






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創立25周年記念のイラスト入りカップ。

パソコンが世に出て30余年、この間メモリー媒体は次々と新方式が開発され大容量になるなど進歩してきた。この中でIBMが1970年ごろ開発したフロッピーは一世を風靡し1990年代末まで広く使われた。

フロッピー草創期の1975年、大学を卒業した斉藤邦之さんは、ある商社に就職しパソコンの記録媒体を担当した。
これ以後、商社を退職、1980年に磁気研究所を設立して今日まで、彼の仕事は一貫してメモリー媒体の販売である。

接待の多い仕事柄、彼の食事は一日4食5食となる日もある。
タバコは随分と吸う。
これだけ聞くといかにも不健康である。
しかし、斉藤さんは酒を飲まない。

車は運転しないから通勤は電車と徒歩。
一概に不健康とは言い切れない。
社員は「社長は土日もいますよ」と証言する。
つまり365日会社は休まないという。

こういう斉藤さんの生き方は一体どこから来ているのだろうか。
本人は否定するが、斉藤さんは根っからの苦労人である。
彼は宮城県で生まれて小学校時代をすごし、中学・高校は兵庫県姫路市ですごした。大学時代は東京だった。

「この間ずっと貧乏だったね」。厳しい環境の中、生きぬくために手をこまねいている暇はなかった。
姫路の中学校で卒業式の時、斉藤さんはその後の人生を律する大きな宝物を手に入れた。その宝物とは『努力は必ず達成する』という言葉である。

この言葉をクラスの全員に授けたのは当時の担任教諭であった。
卒業式の後、教室で生徒たちに黒板で、さらに記念アルバムの扉でこの言葉を伝えたという。

一見誰もが意識にとどめることのないような言葉である。
しかし彼はその意味を受け入れた。そしてこの言葉を決して忘れない。

それどころか人生観・日常の行動規範として彼を導き続けている。
努力は考えるものではない。
体で表現するものである。

斉藤さんは相手がどこにいようがそれが海外であっても自ら出向いて説得する。
どんな人間であろうが、正々堂々と意志を伝える。
そういう姿は相手を感動させる。
「感動が商談を進める。商売の秘訣というのはそういうものです」。
会社を休まないのも「土日に秋葉原の店まで買いに来てくれる客に対して申し訳ないから」というのが理由だ。


これからは記憶媒体のセキュリティが重要であると説かれる。
確かに日本のあちこちでデータ漏洩のニュースは引きも切らない。今の日本、この分野では後進国であると斉藤さんは言う。

磁気研究所はセキュリティ機能を付加したCDやフラッシュメモリーを開発、現在販売している。
この機能を持たせたソフトはウェブサイト上で公開しているが、作成したのはイスラエル人である。

斉藤さんが導入のためイスラエルに出向いたとき、相手はどこの馬の骨だという対応だった。しかし、彼の生い立ち・人生観を伝えた途端、相手は私たちと同じだと手を握り締めたという。
斉藤さんの今を支えるものは常に努力を惜しまない信念にありそうだ。

(2007年6月1日:取材)