忙中閑なし、さらに多忙の極み
池田 憲泰さん (有限会社池田屋油店 代表取締役)


池田 憲泰氏

会 社 名 有限会社 池田屋油店
主な職種 石油製品販売


池田さんおすすめの猿楽町名所3ヵ所。





今も映画の撮影に使れる町会詰所



駿河台と結ぶふたつ坂(男坂)




駿河台と結ぶふたつ坂(女坂)



店舗点描



千成瓢箪は業績発展の表われか。

 江戸時代、現在の白山通りを挟む神保町・西神田一帯は中猿楽町といい、観世流能楽師たちの居住地が広がっていた。その記憶を今、町の名「猿楽町」に残している。

その猿楽町で昭和24年に創業したのが池田屋油店。当主は池田憲泰さんである。

同店の当初の取扱い商品は食用油であった。しかし時代が変わり食用油がスーパーなどで販売されるようになるとメーカーのブランド色が濃くなり、次第に池田屋油店の特色が出せなくなった。

そこで業種転換。現在はSSで鉱油の販売と、関連して駐車場の経営・管理を生業としている。
池田さんに趣味の話を持ちかけてみたが、それは当を得てなかった。

池田さんは現在、仕事の関係もあって警察関係・消防関係・法人会の役員を務め、その講演会の依頼が多い。
さらにボランティアで保護観察処分中の人の社会復帰を助ける保護司も努めておられる。

神田神社の氏子でありながら地名変更の際「神田」が消えた「猿楽町」問題への対応もそのひとつで「神田猿楽町」への回帰運動にも参加されている。

池田さんはとにかく多忙なのである。
それでも蒐集が好きで若いころはコインやカメラを集めていた。コインではコイン商との付き合いが深くなり、業者から珍品が入荷したとわざわざ連絡がきたこともある。

また横浜まで出向いて購入したこともあった。「五十銭大銅貨は製造年が1年違っても時価が何十倍も変動するものです」。カメラ蒐集は“機械いじりが好きだから”がその理由。
相当数集めたが、撮るよりもいじる方が大好きで分解して壊したこともある。
いずれの蒐集物も人に譲って在庫は少々。今はデジカメ1台が愛用機となっている。

ご本人が蒐集を意識しているのかどうか不明だが現在は「瓢箪」を集めているようだ。社長室の壁に40数個、千成瓢箪のごとく飾ってある。

ところで一業種における一企業の寿命は30年と言われるが、池田屋油店は創業以来今年で58年。
この間の事業は上述のとおりである。
再来年は創業60年を迎える。次への展開が必要になるだろう。

池田さんは準備おさおさ怠りない。産油国・元売各社が空前の大景気に沸く中、石油製品の小売は決して順調ではない。
現に千代田区内のSSは最盛期65件あったのが、現在は22件まで縮小している。
CO2規制の問題もある。

池田さんは次世代エネルギーが次の展開になると考えている。
それを先進的に取り扱うことが池田屋油店の仕事となるだろう。
しかし単に販売するだけというのは池田さんの本懐ではない。

池田屋油店の特色をどう織り込んでいくか。
顧客に池田屋油店の看板をどう印象付けるか。それは商人の意地である。池田さんの長男がエネルギー関連の科学博士号を取得しているのはその基盤作りであろう。

(2007年5月8日:取材)