“本のまち神保町を元気に”の先頭に
八木壮一さん (株式会社八木書店 代表取締役社長)


神田神保町は世界に誇れる
「本のまち」なのですと語る八木さん

会 社 名 株式会社八木書店
主な職種 古書販売、新刊取次、
古典籍等出版、
バーゲンブック販売




昭和9年(創業時)の「日本古書通信」
創刊号(右)と最近号。
古書の相場を知らせる、初めての試みだった。



毎日出版文化賞も二回受けている。



「東京名物・神田古本まつり」は
毎年、本好きの人たちで賑わう。
47回目を迎える今年は
10月27日(金)から11月1日(水)まで。
 兵庫県、六甲の麓の町から上京した先代(八木敏夫氏)が、 神田神保町の一誠堂書店に勤めたのが昭和4年。 ここで5年間修業し、昭和9年に独立、「六甲書房」「古書通信社」の看板を掲げた。これが八木書店の創業で、今年72年目を迎えた。

 「新刊取次は昭和28年、八木書店に改称してから。 これを除くと、古書販売、書籍の卸、出版と父が戦前から継続してやっていたことと 環境は変りましたが本質は変っていません。古本と古書は大きく異なり、 古本は“ユーズドブック”、古書は“アンティークブック”とか“レアブック”と呼ばれるものです」

 八木さんは、よく講演を頼まれる。話す内容は“古書の楽しみ方”が多い。 もちろん、神田神保町という世界に類例のない“本のまち”のPRも忘れない。

 NPO法人神田学会と、区にゆかりの深い明治大学など5大学で構成された 「インターユニバーシティ神田」が協同し、地域と大学が連携した “まちおこしプロジェクト”がスタートしているが、この公開セミナー(10月19日、日本大学)でも、 八木さんは講演を行う。

 「演題は、古書の案内人という意味の“古書コンシェルジェ”一誠堂書店の酒井社長と一緒に行います。 講演では、日本には千年以上前の奈良時代の本をはじめ、 幅広い時代の本が現存する世界でも珍しい国であることの説明や、 世界で一番古い印刷物も、古書を調べていくと発見できることなど、古書の楽しさを紹介してみたい」

 また、八木さんは最近“神保町を元気にする会”を立ち上げようとしている。 すでに趣意書も出来上がり、関係者への呼びかけを始めている。

 「この町には古書店が約170、新刊書店が40、出版関連を含めて450もの企業があります。 これだけの規模で集中している例は世界でもここだけ。 世界に一つだけの町を何とかアピールしたいですね。 また、本だけでなく飲食を含めてこの町の多彩な魅力もあわせて紹介し、 町全体を活性化させたいですね」

 八木さんは長年、神田古書店連盟の役員として、ホームページ立ち上げの先頭にたってきた。 「本の町・神田」に続いて、二本目の「BOOK TOWNじんぼう」をリリースした。

 「神田神保町を何とか売り込みたいと思います。 メトロが三本も走り、いろいろな郊外の町と結ばれた便利な町なのですから」

 立教大学を出て証券会社に2年勤務後、この業界に入り、 昭和59年創業50周年を機に社長を継いだ八木さん、 業務のコンピュータ化においても業界の先陣を切った。

 最後にご自身の健康法について伺うことにする。
 
 「中学からずっとボーイスカウトに入っていてよく歩きました。それと剣道で身体が出来たと思います。今でも歩くことが健康法です。 今使っている万歩計はしっかり歩かないとカウントしてくれない頑固者。 最近では、体重などの情報をパソコン入力すればデータ処理をしてくれて、健康状態が把握できるのです」

  ここでも、社業、町のPRと同様に「デジタル化」が進んでいる。
(2006年10月3日取材)