ワインは相性のよい料理と楽しむもの
谷 義雄さん (株式会社タニオプティクス 代表取締役)


ワインと料理の楽しさを語る谷さん。

会 社 名 株式会社タニオプティクス
主な職種 各種眼鏡及び
関連製品の販売




眼鏡もファッション。
「メガネのタニ」本店の洒落た店内。



当会第19支部が毎年開いている
「ボジョレヌーボーを味わう会」。
谷さんも必ず顔を出す。



四半世紀前、ヨーロッパにおける眼鏡の展示会参加
が「ワイン開眼」のきっかけ。
(1980年、コペンハーゲン・シェラトンホテルの
業界懇親会で。右端が谷さん )
 先代がこの地で眼鏡店を開業したのが大正10年。屋号は「谷玉晶堂」であった。谷さんが二代目を継いだのは昭和40年で、その後、社名を現在の「タニオプティクス」に変更した。

 「その頃、ヨーロッパの各地で開かれた眼鏡の国際展示会に毎年のように出掛けていました。資料を読むとオプティクス(光学)の文字がたくさん出てくる、それじゃこれを社名にし、新しいイメージづくりに良かろうと思ったのです」

 谷さんは社長室に「社是」「社訓」に加えて、「プロフェッショナル精神五ヶ条」を掲げている。一貫した眼鏡販売のプロとしてのビジネスは、神田本店を中核に関東圏に22店のテナントを出すまでに成長を遂げた。さて“谷さんといえばワイン”と、もっぱらの評判だ。

 当会第19支部(神田司町2丁目)主催の“ボジョレヌーボーを味わう会”に参加した時、ワインの解説を少ししたところ“あいつはワインに詳しい”となってしまったようだ。

 「元来私は酒飲みではなく、ヨーロッパへ何度も行っているうちにワインに目覚め、いろいろ勉強し、楽しむようになったのです」

 ヨーロッパでは会食といえば必ずワイン。お付き合いをしているうちにワインの楽しさをおぼえ、やがて自由時間に独りでレストランに出掛けるようになり、いつの間にか予約のテクニックも習得し、仲間を案内できるまでになった。

 「私は秋に訪欧することが多かったのですが、ドーバー海峡で獲れる舌平目やカキを本場の料理とワインで堪能しました。フランスにはこんな言葉があります。“ワインなしで料理を食べる、料理無しでワインを飲む、どちらも愚の骨頂”。それは料理やワインに失礼だというのです」

 つまりワインと料理は同時に楽しむものであり、互いに引き立てあうもの、という考え方。そしてこのワインならこの料理、この料理ならこのワインという相性が大事にされ、そこに初めて食事をした満足感も生まれてくるのだ。

 「どうも昨今のワインブームは、この一番大事な事が忘れられて、格好だけで飲んだり、やたらに高価なものが珍重されたり、またそれに合ったおかずを探すのに苦労するといった有様です」

 フランスで、いいワインとそれによく合った料理の素晴らしさを体験した谷さん。我が日本にも、酒と料理のよい関係があることに、ふと思い当たった。今ではワインと同じ位、日本の酒と和風料理にのめり込んでいる、という。

 「料理との相性ということでは、昔から日本の酒はそうでした。伝統を忘れてはいけないと思います。私はワインから始めて、日本の酒にも目覚めました。飲むのはもっぱら吟醸の冷。料理も白身の魚とか野菜の煮物とか、やはり日本人なのか、年齢のせいなのか(笑)」

 さて、谷さんにはワインを蒐集する趣味はないが、一本だけ1980年頃フランスで買ってきた“シャトーマルゴー”の逸品がある。あと何年か後の“金婚式”に、このワインを抜こうかと思案中だとか。