「町会長」として地域奉仕活動
浅野純一さん(株式会社麻屋三英社 代表取締役)


“二足のわらじ人生”を語る浅野さん

会 社 名 株式会社麻屋三英社
主な職種 印刷・企画
デリバリー




目標としている82歳(後列中央)と
74歳(前列右)のご夫婦との楽しいゴルフ



歳末助け合いの募金を兼ねた餅つき大会、
あんころもちは大好評




大人神輿と子供神輿で賑わう秋祭り

 先代が神田錦町で印刷業を起こしてから、およそ50年になる。浅野さんのご出身は信州の松本で、雑貨・糸商を営む旧家。「麻屋」という社名はこれに由来する。

 「大学が神田でしたから、その頃からバイクで刷り上った印刷物を得意先へ届けるなど、家業を手伝い自然にこの道へ入りました。法人会の仕事も二代続き。昭和49年の社団法人化の時、書類作りに追われる父の姿を覚えています」

 浅野さんの仕事場は神田だが自宅は埼玉県川口市で昔は“キューポラのあるまち”で知られる鋳物工場のまち。それがいまや、工場の跡地に高層マンションが立ち並ぶ住宅地として、新しい表情を見せている。浅野さんが3年前から町会長を務める「中青木二丁目町会」も、このまちにある。

 「私のところは世帯数が一千を超える。この町会長という役は地元で長く仕事をしていて、現役を退いた方が務めるのが普通です。私のように通勤しているケースはとても珍しい。法人会の役職もやっているから二足のわらじ(笑)」

 それと年齢。還暦前という異例の“若さ”。道路工事などで印鑑をもらいに訪れる業者の方も一様に、この町会長の若さに驚く、という。

 「役所から来る書類の量が半端ではありません。目を通すだけでも大変。終始持ち歩いて空いた時間を使うようにしています」
 
 町会には年間数十の行事がある。その上、春には役所の異動による歓送迎会、謝恩会が付き物の卒業式や入学式にも呼ばれる。

 「出来る限り顔を出します。仕事を休まざるを得ない場合もある。その分、家内や社員たちにカバーしてもらう。いつも感謝しているんです。14年間務めた私の前任者は、“職業は町会長(?)”と。親戚や友人たちには随分と不義理をしてきたとしみじみ話しておられた」

 町会長は、町内のありとあらゆる活動・行事を把握していなければならない。時間は使う、気は使う、体力は使う。時にポケットマネーも。何ともやっかいなこの仕事に何故、のめり込んで行くのだろう。

 「誰かがやらなきゃいけない仕事だし、一言でいえば“嫌いじゃない”から。うまく運んで当り前。ちょっとつまずけば非難されてしまう」

 しかし、恐い存在だった先輩たちから“よくやってくれている”と感謝の言葉をもらうことに、大きなやりがいを感じる。そして、唯一の息抜きは、ごくたまに夫婦で出掛けるゴルフと温泉。

 「社会奉仕と仕事との時間を何とかやりくりするからこそ楽しいのだし、ストレスの解消になる。毎日がゴルフじゃ、きっとつまらないと思います」

 この意味で、浅野さんの“二足のわらじ”の日々は、とても充実した人生といえるだろう。