「税理士」目指して、いま猛勉強中
小林秀行さん(有限会社昇龍館 代表取締役)


40代の半ばを過ぎて「税理士」にチャレンジする小林さん


会 社 名 有限会社昇龍館
主な職種 ビルの賃貸及び管理





税理士の難関に挑むため、丸暗記に近いという教科書




一階は各種商店、他はオフィスが入る
「昇龍館ビル」




「割烹・昇龍」の従業員とともに写した思い出の1枚

 今でこそ、高層ビルが林立するオフィス街に変貌しているこのエリアだが、昭和40年代までは学生の街、下宿屋や旅館が点在していた。昇龍館もその名のとおり、木造二階建ての老舗旅館だった。先々代が昭和初期に創業、小林さんの父がこれを受け継ぎ、昭和48年まで営業を続けてきた。その後貸ビル業に転じるとともに「割烹・昇龍」を営む。小林さんが高校生の頃である。平成12年再び転機が訪れる。店を閉め、貸ビル業専業となり現在に至る…。しかし、「このままでは終りたくない」と、小林さんは自らのビジョンを描く。その辺のお話を伺う。

 一念発起、かねてから希望は抱いていた「税理士資格」の取得を目指し、本格的に勉強を始めたのはおよそ4年前、男の厄年を無事乗り切った直後だった。「専門が経理関係でしたから、ある程度の知識はありました。それにしても、40代の半ばです。頭は固くなってるし記憶力は衰えている。あと10歳、20歳若ければ…と痛感しています」。

 小林さんの日常は、週に4回夜、神保町にある大原簿記スクールに通い授業を受ける。ほかに空いた時間を見つけて、学校の自習室で勉強に励む日々である。「ビル管理の仕事をしながらですが、こちらは任せられる者もいますし、出来るだけメリハリをつけて、勉強に時間をとるようにしています。先生の励ましが嬉しいし、若い同級生たちからはパワーをもらっています」。

 税理士の資格取得が、大変な難関であることはつとに名高い。税法一般から法人税法などの5科目を4年以内に合格しなければならない。小林さんはどうか。

 「2年前にやっと1科目。去年2科目受けたが駄目でした。今年2科目、来年2科目と、目標を決めて挑戦するつもりですが、計画どおりにいくかどうか…」。

 さて、資格を取得した後のことについて小林さんはどう考えているのか。「外へ勤めに出たいと思っています。そうしないと人脈が広がりませんから。幸い父から受け継いだ法人会の役員の仕事も、税理士会とか税務署の情報が身近にあるという利点がある。これを実務に生かしていきたいですね」。

 そして、法人会役員の若手の一員として「青年部会」の活性化にも力を入れていきたいという。会員増強運動という、会の基盤強化策を中心に据えて。

 小林さんには今年成人を迎えた大学生と来年大学受験の二人の跡取り候補がいる。資格でも何でも、早く専門の分野を見つけることを強く望んでいる。「ビルがあるからと安心されるのが一番困る。息子たちには、40歳過ぎて勉強している親父の姿を見て、常に自己啓発してほしい」。

 割烹を手掛けていただけに味には厳しい。ネットで見つけた郊外にある美味いもの屋を、休日に夫婦で訪ねるのが、勉強で疲れた頭を癒すひと時だという。